山ヒル対策
2.山ヒルについて(対策)
静岡県の水窪から春野・川根・寸又峡辺りの山には、夏場山ヒルが出ます。
湿気ていると出るわ出るわ、10mも歩くと数匹がくっ付いてくる状態もあり
ます。食われても全く気づかないことも多く、後で靴下に血が染みているのを
見て気づくことがしばしば。気色は悪いし、しかも1日たってから痒くなり、
薬を塗っても効かずに1週間ぐらい続くので厄介です。生息は標高500m
から1,000m辺りに多く、1,000mを越えると急に少なくなります。
湿気が多いと数が出てきます。したがって同じ道でも朝露で湿っている時の
午前中は多く、帰路の乾燥した時には出ないこともよくあります。冬に雪が積
もるような所にはあまりいないようです。また歩いている振動や人の赤外線を
キャッチして寄ってきますので、靴で踏んだり接触したりすればすぐにくっ付
いてきます。そのくっ付く能力には関心します。地面に這っているのがほとん
どで、(まれに草の葉に付いている)ここら辺のヒルは上から落ちてくるよう
なことはありません。首筋等に食われとしてもそれは下から這い上がってきた
ものです。まあ山ヒルを好いている人はあんまり居ないんでしょうが、ルート
ファンディング等が好きな人にとっては、山ヒルが居るおかげで他に人が入り
込まなくなる分、荒らされてない自然を満喫できるメリットがあるかも。
以下に自分なりの山ヒル対策を書いておきますので参考にしてください。
※最近メジャーなルート(深南部では)には忌避剤を撒いたのか山ヒルの姿が
少なくなりました。が、それを外れると相変わらずいます。2011年7月
に京丸川から竜馬岳方面への尾根を登った時、いるわいるわ靴底の面積当り
数匹という状態で、踏み場も無く諦めてズケズケと登りました。
スキンガード(緑色)を靴やスパッツ内に付けていたので何とか助かりまし
たが、ヒルが上がってないか靴内に入っていないかの確認で、時間は掛るし
疲れるしでやっぱり大変ですね。
1)山ヒルの出る地域、場所、時期を把握しておくこと。
a)地域は上記やネット・地元の情報を聞いておく。
b)出易い場所は標高で500m〜1,000mの範囲が多く、山腹の道が特
に多く見られます。尾根上のコースは乾燥し易いので少なめですが、いな
いことはないです。
c)湿気ていると良く出ます。枯れ葉が積もっている山腹の道は湿気が保たれ
ているので要注意。雨に降られればとたんに大量出没、カッパを着ると中
側までいちいち確認するのが面倒で、くっ付いたのが分かりずらい。
d)5月から10月ぐらいまで出ます。気温が低いと動きも鈍いので、靴に付
いても這い上がるのに時間が掛かっているので発見もし易いです。
暖かく元気だと直ぐに靴の中に入ってしまうので被害を受け易いです。
対策1:靴にLメントール系の薬剤を塗る( トクホンチール等の液体消炎鎮痛剤) ○ |
これは実績があります。ヒルが靴に付いても逃げて行きます。また、効き目が薄くなっても這い上がってくるのをためらっているようで、その間に発見して退治することが出来ます。薬剤をヒルに浸けると死んでしまいます。効果は私の場合表出し革の靴なので1回塗ると2・3時間は持ちますが、裏出し革や布製の場合、染み込む分を考慮て塗り足ししてください。ヒルが付いてきたときはわざと靴に上がってきたところを狙い、塗り足しと退治を兼ねるようにしてます。Lメントールは匂いがきつく、微香性を選んでも効果は十分ですが、靴紐を締めるときに手に付くと、その手でおにぎりを掴んで食べるには抵抗があるので注意してください。スプレー式は塗り易いですが、多少コストが掛かります。この薬剤は他にも使い道があり、虫に刺されたときや捻挫したとき用にもなりますので、山登りの遂行品としては重宝してます。ただし、皮膚に直塗りした後に動くと擦れる部分(特に足)はヒリヒリして大変です。食われないようにと先に皮膚に直塗りするのはやめた方がいいです。ちなみに愛用している製品はトクホンチールA(微香性)、キンカンだと臭いがきついですよ。 |
対策2:靴にアルボーズ石鹸(液体)を塗る |
(工業用・トイレ用に殺菌・消毒・洗浄用手洗い石鹸として使用されているものです)個人的な実績はあまりありません。ただし、実験したときはヒルを無理やり靴に付けても吸い付こうとはせず、ポロッと落ちてしまいました。その後くっ付いて来なかったのですが、居て付かなかったのか、もう居なかったのかよくわかりません。ただ、効果はありそうです。このときは原液を3倍に薄めて試しましたが、濃度・効果持続時間等はまだ良く分かっていません。また実験が進んだら報告します。前もって足に塗って事前対策をしても効果ありと聞いていますが、相手もなかなか諦めないので塗っていない上の方まで上がってくることも考えられますので注意してください。◎これはコスト的には安いです。500g入りが¥600−前後で、通常は10倍に薄め使用しますがヒル対策時は3倍薄めの濃度で実験しました。手洗い用消毒石鹸としても利用価値はあるので買っておいても損はないと思います。 [商品名:アルボーズ石鹸液 PX−2 株式会社 アルボーズ] ホームセンター等で購入できます。 |
対策3:靴にディート液(10%以上)を塗る |
これも個人的な実績はありません。ただし、山ヒル対策としての薬剤でディート液が出ていますので、効果はあるのでしょう。( ヒル対策,ディート で検索すれば出てきます)実験は12%の溶液を靴に塗って試しましたがアルボーズのときと同時に片方づつに塗って行いました。が、山ヒルが居たのか居なかったのか、くっ付いては来ませんでしたのでやはり効果の確信はありません。インターネットで山ヒル対策用ディート剤は手に入りますが、少ない発注で面倒な人は虫よけ剤でも一般に売っています。しかし、多種ある中でディートが入っているものは少ないようですので良く確認してください。 (池田模範堂のムシペールα がそうです)だめでも虫除けには使えますから。ちなみに普通の虫除け剤はまったく効果ありませんでした。 |
対策4:スパッツを付ける |
一般的には靴に石や木くずが入らないよう、また下草等の朝露にズボンが濡れないように付けるものですが、これを付けていると山ヒルは靴の中に入らず、その上を這っています。それでも2・3割は中側に入ってしまいますので逆に発見し難くなりますが、入り込む隙間の周辺にLメントール系の液を塗って回避させてます。スパッツの上を這うヒルは大体がひざの高さ辺りでうろうろしていて容易に発見できますが、中には上まで這い上がるのもいますので注意してください。 |
対策5:山ヒルなんか気にしないこと |
山ヒルが怖くて山に登れるか!。とは言っても居れば取り除きますが、別に血を吸われても貧血になるわけじゃあるまいし、病気を移されるようなこともないようですので、痒いのを我慢すれば血税を払った思えば。 気持ち次第です。 |
対策6:虫除け剤 (スキンガード) [04年追加] ◎ |
ジョンソンから発売されている虫除け剤(スキンガード)も効果があるようです。スプレー式 ですので靴に塗り易いタイプです。最近のパウダーインは靴に残り易く長持ちしそうですがテストはしていません。手に入り易いものでやはりディートが主成分になっています。[緑色のパッケージタイプのもの]
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対策7:アース 網戸に虫こない [04年追加] |
アース製薬から発売されている「網戸に虫こない」スプレー式もディートが主成分となっていて、身体用ではないので濃度が高そう、時間的に長持ちしそうです。ただし試してないので靴への影響はしりません。前記までの方法では長年やっていますが今のところ特に変化はないです。これも手に入り易いし、時間的効果も良さそうですが他とちがって身体用への兼用にはならないので靴専用か家庭で網戸に使用ってとこでしょうか。 |
対策8:その他(否推薦) |
農薬(硫酸ニコチン)の使用。ただしお勧めしません。塗るだけなら自然界に撒き散らしはあまり無いでしょうが、渓流釣りなど沢に流してしまうことも考えられ、登山靴など染み込むようだと自分が被害にあってしまう。靴ひもなど締め直して手に付き、その手でおにぎりを掴んで食べるようなことだとぞっとします。前記の薬剤1〜4と6項はもともと皮膚に直塗りするものですから安心度は違います。殺傷能力は高いそうですがヒルも自然界で一生懸命生きて、何かのバランスに役立っているんでしょうから。農薬散布のときは1000倍に薄めて使用するそうですが、毒物扱いなので人体への障害も懸念されてます。タバコのニコチンを靴に塗っても効果があると聞いてはいますが。 (参考のため載せました) |
ヒルに食われてしまった場合は歯が残らないように取り除き、傷口からヒルジンを出すように血と一緒に押し出します。その後、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等の含有軟膏)を塗って救急ばんそう膏を貼りますが、血がしばらく止まらないと数回は張り替えることになります。ヒルジンを出すことができればいいのですが、だいたいは気づかないことが多いので手遅れと言うことで、まあ1週間くらいはかゆみ止めを塗ってもかゆみが取れない状態は覚悟してください。ヒルを取り除くとき、容器のキャップを被せるなどLメントールを近づけるだけで外れますが、くっ付いているときヒルに塗ったりすると血を吐き出して汚れますので注意してください。 |